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2025常磐医学会

専門医からの報告 抄録

 

演題

甲状腺疾患に対する診療において知っていてほしいポイント

 

所属

  1. 医療法人二夢の会にむら甲状腺と消化器クリニック 理事長

  2. ときわ会常磐病院乳腺・甲状腺センター 非常勤医師

  3. 医療法人二夢の会にむら甲状腺と消化器クリニック 理事

  4. ときわ会常磐病院乳腺・甲状腺センター 非常勤看護師

  5. 医療法人二夢の会にむら甲状腺と消化器クリニック 看護師

  6. ときわ会常磐病院乳腺・甲状腺センター センター長

  7. ときわ会常磐病院乳腺・甲状腺センター 乳腺・甲状腺外科 部長

 

発表者名

○二村浩史1)2)、蛭田博恵3)4)、遠藤富三5)、國玉有佳理5)、尾崎章彦6)、権田憲士7)

 

甲状腺診断治療には採血と頸部エコー検査が必須である。1.甲状腺中毒症。主にバセドウ病(グレーブス病:GD)、破壊性甲状腺炎、機能性結節との鑑別を。GD:TRAbかTSAb高値。陰性でも99mTcシンチで全体に集積。治療は抗甲状腺薬、RI治療、手術。抗甲状腺薬にはメルカゾール(MMI)、プロパジールやチウラジール(PTU)、ヨウ化カリウム(KI)。FT4が5以下ではMMI 15mg、5以上ではMMI 15mg+KI 50mgから投与。PTUはMMI 5mgとPTU 50mgが同等。MMIは朝1回で、PTUは50mgずつ分割投与。いずれも顆粒球減少、肝機能障害などの副作用チェックのため2ヶ月間は2週間おきの採血が必須。挙児希望もしくは妊娠の可能性のある女性にはPTUを。妊娠5週から9週まではMMIは禁忌。PTUはANCA抗体陽性となると禁忌。PTU投与では毎診療時の検尿、半年おきのMPO-ANCA採血を。KIでは副作用は少ないが長期投与でエスケープ現象を来す可能性あり。抗甲状腺薬中止は、少なくともTRAb、TSAbともに正常化し、エコーでびまん性甲状腺腫が改善、血流改善して半年後に。中止後3年以内に40%が再燃するので十分なフォローを。再燃した場合は維持療法を。MMI、PTU、KI使用不可ではRIか手術を。その際TRAb、TSAb高値ではRIでGD眼症増悪リスクあるため手術を。術後はFT3が正常範囲になるようにチラーヂンS(LT4)の投与を。GDでは喫煙がGD眼症増悪に関連するため禁煙を勧める。特にTSAb高値ではGD眼症を来しやすい。甲状腺中毒症による頻脈に対しては喘息既往無ければβブロッカーを。妊娠中ではやむを得ない場合トランデート、授乳中ではインデラルを。破壊性甲状腺炎:エコー、採血でGD否定的で痛みがない場合無痛性甲状腺炎の可能性大。GDと鑑別困難な場合99mTcシンチで集積無ければ破壊性甲状腺炎。橋本病合併のことが多い。3ヶ月から半年で甲状腺機能正常化するので投薬不要。頸部の圧痛、発熱があり、WBC正常、CRP高値、エコーで圧痛に伴う低エコー域を認めたら亜急性甲状腺炎。ウイルス感染後に発症するため抗生剤は無効。プレドニン15mg2週間投与から5mgずつ減量する。ステロイドが著効。痛み、低エコー域が左右に移動するクリーピングを起こすことがある。機能性結節:TSHのみ低下する潜在性甲状腺機能亢進症が多い。3ヶ月しても改善しない場合99mTcシンチを。機能性結節部で集積あり。単独のプランマー病、多発のTMNGがある。TSH 0.1以下なら心血管イベントや骨粗鬆症回避のため手術を勧める。2.甲状腺機能低下症。主に橋本病、低T3症候群、薬剤性甲状腺機能低下症など。橋本病:TgAbかTPOAb高値。ヨード制限食を勧める。LT4投与するが、コーヒーや他剤との相性不良が多いため起床時内服を。挙児希望女性には、着床、流産予防のため妊娠13週まではTSH 2.5以下を、それ以降は3以下となるようLT4投与して毎月モニタリングを。高齢者では心血管イベントを考慮してTHS若干高めで。低T3症候群:低栄養、感染や癌など消耗性疾患発症後、高齢者に多い。LT4投与しても新陳代謝を抑えようとしてT3に変換できずリバースT3となってしまうためFT3改善せず。栄養補給、原疾患治療で改善する。薬剤性甲状腺機能低下症:アミオダロン、オプジーボなどで起こる。橋本病発症の有無をチェックし、機能低下ならLT4投与を。3.結節性甲状腺腫。エコー下FNACで乳頭癌であってもcN0であれば1cm以下のcT1aであれば経過観察を。手術希望すれば片葉切除。濾胞性腫瘍と腺腫様甲状腺腫はFNACで鑑別診断ができないためTg 1,000以上では濾胞癌を疑い手術を。分化癌で全摘した場合は再発予防のためLT4を多めに処方してTSHを抑制するが、片葉切除ではTSH抑制は推奨されない。全摘後pN陽性やpEX陽性では術後大量RI治療を追加することがある。乳頭癌はリンパ節転移、濾胞癌は肺転移・骨転移に注意を。分化癌術後20年以上での再発もあるため、経過観察期間は約30年とされている。分化癌以外の癌は予後不良のためすぐに専門病院に紹介する。癌以外でも縦隔進展、4cm以上の結節は手術を勧める。

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